一刀斎夢録

浅田次郎先生の著書”一刀斎夢録”を読んだ

とても面白かった・・・

もう老いた、かつての新選組3番隊長・・・斎藤一

若い近衛師団の梶原に酒を飲みながら昔の話を聞かせていくと言う話

僕は幕末の話が好きなので、新選組関連の小説は数多く読んだ

(個人的には土方歳三が好き)が、今まで読んだ小説よりもリアルに感じた

血生臭いと言う表現があっているのかわからないが、そういう雰囲気が読んで

いる文字から漂ってくるような、そんな感じだ

常に・・・斬るか斬られるか の極限のなかで生きていかなければならない

時代の怖ろしさ、非情さがひしひしと伝わってきた!

特に面白かったところは

西南戦争の場面・・・多くの小説は当然ながら西南戦争といえば

西郷隆盛を中心としたした物語の展開が多かった

もちろん、それはそれで、作者の思いが表され感動した作品を多く読んだ

しかし・・・この一刀斎夢録の西南戦争の切り口は斬新過ぎて・・・

感動した!

舞台はなんと大分県の!・・・我が大分県内を舞台に最後のクライマックスが展開して

いく・・・耳慣れた地名と共に物語が進んでいく

そして浅田先生の表現力がすごい・・・読んでいて手に汗握る、ドキドキ感

文章から感じる緊迫・・・主戦場の熊本から遠く離れた大分であの斎藤一

北海道から、土方歳三の写真を持ち帰った、あの市村鉄之助と最後の斬り合いを

するなんて・・・(元新選組隊士同士がなぜ・・・)

すごすぎる・・・浅田先生すごい

西郷隆盛大久保利通桐野利秋もでてこないのに、西南戦争の歴史感は

しっかりと感じられる

晩年の斎藤一をここまで追いもとめ、新選組の隊士として、ここまで生きて

しまった苦悩と孤独を描いた小説はない・・・

そして最後に自分の死に場所を求めた西南戦争・・・

とても素晴らしかった!

いや~面白かった!

ぜひ映画化してほしい~(壬生義士伝のように)

斎藤一役は誰だろう・・・考えるだけで楽しい

ではまた次回

バイバイ